《トゥマーン・スナイピェル》ライサ・ドミートリエヴナ・ドストエフスカヤ
   ――氷原に玉座を抱き、春光を待つ。

 

種族:
ニューエイジ
強化:
アーレント適合
クラス:ガンナー スタイル:スナイパー
チーム:ポールノチ・サヴァ
ランク:S
能力値:P0 T5 S10
貢献値:AUG+13 EE+15
年齢:
16歳(外見)
性別:女
誕生日:12月9日
身長:154cm 体型:外見年齢相当
髪色:銀に近い金髪 瞳色:アクアマリン
肌色:色白
一人称:わたし
二人称:お前、貴様
口調:〜ダ、〜だナ、〜なのカ?
装備:
高精度長距離狙撃光銃“ペンタグラマ・プロローク”
電磁接触阻害銃
試作索敵阻害スーツ“アーレンタルパダローク”
眼帯・灰翼の守り

スキル:
狙撃
隠密行動
共鳴光流循環
梟王の眼



特殊スキル:
なし





   
「個は全、全は個ーー。お前達が組織に全てを捧げる限り、組織がお前達の命となるのダ」
  「挨拶は抜きにして、ビジネスの話をしよう。
   わたし達は大喰いダ。それなりのものを用意しておけヨ」
    「なんだヨ。わたしがかわいいのはわかるケド、あんまりじっと見るんじゃない。
     照れちゃうダロ」
      「施せる愛には限りがある。わたしは彼らを愛してるケド、君はそうじゃない。
       残念だったネ」
性格・経歴・設定
《概要》
A.A.暦以前より連綿と暗部に君臨する暗殺の名門“ポールノチ・サヴァ”を束ねる女傑。
絹のように繊細なプラチナブロンドの長髪に水宝玉の瞳。
白亜のような白い肌の、作り物のような少女。
ニューエイジにしては小さめの耳に、右眼孔に埋め込まれたアーレント結晶を
赤い眼帯で隠している。
普段はAUGでかつて流行したゴシックな服装を好むが、動きやすいラフな衣装も嫌いではない。
任務中はグレーの強化繊維のスーツを纏う。
ブレイカーとしてAUG、エウロパ新帝国の両勢力に名を響かせ、
暗殺者として暗部に雷鳴を轟かせる名うてのスナイパー。
もともと軍属ですらない民間人であったが、ある事件により家族と死別、
ニューエイジへの覚醒などの紆余曲折を経て
当時“ピエロ・グリマルディ”が率いる“ポールノチ・サヴァ”へ身を寄せる事となった。
すぐに狙撃に才を見せ始め、チームに後見する事に生き甲斐を求めていき、
A.A.60以降徐々に頭角を現しはじめた。
“ゴットフリート・エルメンライヒ”の後継と謳われるほどの狙撃手に成長したライサだが、
特に敵を待ち伏せて狩るように狙撃する術に長け、
超人的な忍耐力と敵の行動を予測する観察力、
更に敵に一切己の存在を悟らせない狙撃点の確保能力から
“トゥマーン・スナイピェル(霧の狙撃手)”と呼ばれ畏怖されている。
寄る辺をなくした自分を受け入れてくれたチームのことを家、
部下を家族として信頼する反面、部下らに対する要求は厳格で、
仕事に対しては真摯な姿勢を見せる。
現在行方不明になっている先代のリーダー、“ラファエーレ・グリマルディ”の捜索、
そして自らの家であるチームの存続・拡大がライサの当面の目標。
“ヘルツ”と名を変えた“ゴットフリート・エルメンライヒ"の身体の不調、
そして時折何かに怯えるようになる彼の精神の負荷を心配している。
チームリーダー、そして組織を統括するものとしての能力不足は自覚しており、
チーム継承後は部隊指揮や運営学なども学びはじめている。
とはいえ現在はチームの経営や事務方面はヘルツや古参のメンバーが負担しており、
依頼・任務の遂行や人員の選抜など、前線での活動を主に担当しているようだ。

《性格》
若くして大組織の運営を任されているせいか見た目の印象よりやや勝気で毒舌家だが、
本性は冷静で寡黙、そして臆病。
口調がところどころ拙いのは、本来口の立つ性格ではないことが理由かもしれない。
何かをなすためのあらゆる才覚が欠乏している、という半ば自虐癖めいたところがあり、
それを埋めるために常に何かしら努力を己に課している。
とはいえ、もともと効率の良いタイプではないせいか、空回りすることも少なくはないようだ。
チームを支えねばという強い意志を持っており、
そのために自分を過剰に演出し、大きく見せようとする癖がある。
親しい人間にはそれが伝わるようで、なんだかんだ諭されていたりするあたり、
根本的なところは未成熟。
趣味は読書。
占い好きで、トレードマークとなった赤い眼帯も自身のラッキーカラーが赤だと
占星術の本に書いてあったため愛用するようになった。
また、組織内では「ブレイカーを辞めてもシンガーで食っていける」と言われる程
歌が上手いのだが、本人は恥ずかしいのか人前で歌うのを嫌がる。
過去の体験の影響か、孤独と暗所を異常に恐れているようで、
寝ているときも電気をつけたままにして、よくヘルツに叱られている。
チーム内で築かれつつある派閥については基本的には無関心。
もう一人のリーダー、ヘルツに対しても、
信頼すべき仲間であるというスタンスは崩していない。

《経歴》
火星における水素貿易で財をなした商会の会長の娘として生まれる。
裕福な家とそれを気取らない両親のもとで不自由なく育ち、16才の夏、
かねてより夢だった地球への旅行へ家族とともに向かう途中、貨客船の爆発事故に遭遇した。
爆発の原因は不明とされているが、父の会社と対立する企業による破壊工作であったらしい。
船室に一人で休んでいたライサは衝撃で右目を負傷しつつも
運良く酸素の残った区画に取り残され、
物音の絶えた暗闇の室内に、40時間以上取り残される事になった。
恐怖と孤独、そして右目の発熱を伴う痛みの中、
ふと手を伸ばした先にあったアーレント結晶の破片に触れた。
奇跡的にアーレント結晶と適合し、ニューエイジとなったライサを救出したのは、
当時ピエロ・グリマルディという男が率いていた組織、ポールノチ・サヴァだった。
身寄りを失ったライサはそのままチームに身を寄せるようになり、暫くは塞ぎ込んでいたが、
組織を率いていたピエロに娘、息子であるラファエーレに妹のように扱われるうち、
次第に心を開いていくようになる。
当時ポールノチ・サヴァで副官で副官を務めていたゴットフリート・エルメンライヒとも
親交を結び、戯れ半分に教わるうちに、その中に眠る狙撃の才能を見出されていった。
組織の一員として生きる事を決めた後は、実直に任務をこなし実績を積み上げていき、
次第に組織の内外にその名を広げていく事になる。
その根底にはかつて味わった「自分の周囲の環境を失う恐怖」と「孤独への恐怖」があり、
それを遠ざけるために他者の命を奪い糧にすることに対する罪悪感はあるようだ。
組織のリーダーであるピエロ・グリマルディが任務中に死亡し、
その息子ラファエーレ・グリマルディがチームを継承すると、
組織の中心人物としてゴットフリート・エルメンライヒとともに更に名を上げ、
やがて「ポールノチ・サヴァの二大スナイパー時代」と言われるまでに成長した。
A.A.67の火星圏での大規模フローターズ襲撃作戦での活躍によりその名は絶頂に達する。
ラファエーレ・グリマルディが組織を出奔する際、リーダーを欠いて混乱する組織を
速やかに掌握し、「ヘルツ」と名を変えたゴットフリートに指揮権を譲渡しようとするも
拒否され、話し合いの結果共同経営という形で組織を運営することになり、
表面上ではあるが、ライサはついに「ポールノチ・サヴァ」のリーダーの地位を得る事になった。
その後は組織の維持と出奔したラファエーレの捜索に精を出しているようだ。

装備概説
▼高精度長距離狙撃光銃“ペンタグラマ・プロローク”
 AUGの最新式狙撃光銃。
 特別な仕掛けはないものの作りが頑丈で信頼性が高く、精度も高い。
 出力の細かい調整が利き、しっかりと設定することで
 用途に柔軟に対応した狙撃戦が展開できる。

▼電磁接触阻害銃
 近接戦闘に対応するための短銃。
 電気ショックを引き起こす電磁銃として使用したり、
 電子機器を誤作動させたりと汎用性が高いが、殺傷能力は低い。

▼試作索敵阻害スーツ“アーレンタルパダローク”
 ポールノチ・サヴァが独自のルートで開発したライサ専用の防御兵装。
 他のニューエイジと比較して決して高くないライサのアーレント適合率を補い、
 戦闘を優位に運ぶ事を目的としている。
 見た目は通常の強化繊維スーツだが、アーレント光力をライサの周辺に対流・循環させ、
 索敵兵装の妨害やサーモセンサーの反応を偽装するなど、
 敵からのアクセスを妨害させるフィールドを形成することができる。
 更にはフィールドの内側の気温などの環境を安定させ、長時間の待ち伏せなどにも適応する。
 防御性能などが向上するわけではないため、過信はできない。

▼灰翼の守り
 組織内でなぜか流行している「ヘルツ」の羽の一枚を加工したアクセサリー。
 組織内では幸運のシンボルとされている。
 ライサのものは特注の品で、わざわざ翼の付け根、
 一番いいところを選んで作られているらしい。

スキル概説
▼狙撃(射程:遠距離・単体)
 狙撃銃を用いた精密射撃能力。
 狙った点への着弾の正確さや、狙撃点の確保なども含まれる。
 アサルトライフルや拳銃などの扱いは別の才能を必要とする。

▼隠密行動(射程:近距離・単体 標的:自分)
 敵に見つからないように行動する能力。
 足音を消して移動したり、風下を選んで行動するといった行動から、
 離脱しやすい狙撃点の確保など多岐にわたる。
 個人あるいは少人数にのみ適用される才能で、
 部隊単位であればまた別の才能が必要かもしれない。

▼共鳴光流循環(射程:遠距離・範囲 標的:全体)
 共鳴したアーレント光力を周囲に循環させることができる。
 これだけではさほど役には立たないだろう。

▼梟王の眼(ライサ固有 射程:近距離・単体 標的:自分)
 ライサの持つ唯一の固有能力。
 左目に埋め込まれたアーレント結晶を失った視神経に接続し、
 短時間左目の視力を回復させることができる。
 アーレント結晶をレンズとして使用するため、
 左目はアーレント光力の流れを視認することができ、射撃精度を向上させることが可能なほか、
 視認したアーレント適正者の行動をある程度正確に予測することができる。
 ただし、左目を使用するためライフルのスコープを覗く事ができなくなる関係上、
 狙撃銃の射程距離自体は低下するようだ。
 共鳴光流循環との併用は不可能。

【リレーションシップ】
 →《オラーケル・ソルダート》ヘルツ
PL:王小龍
イラスト:王小龍