《オラーケル・ソルダート》ヘルツ
   ――弾道の軌跡は悔恨の色を為して。

 

種族:
ジェネティック
強化:
アーレント適合
クラス:
ガンナー
スタイル:
スナイパー
チーム:ポールノチ・サヴァ
ランク:AA
能力値:P0 T8 S7
貢献値:AUG+10 EE+18
年齢:不明 性別:男
誕生日:4月25日
身長:181cm 体型:
大柄の割には細身
髪色:黒 瞳色:近 肌色:やや色白
一人称:私
二人称:君、お前、あなた
口調:〜だ。〜だな。〜なのか?
装備:
二四式狙撃銃”ウニヴェルズム”
光学加速銃“ズィンゲンリッター”
対人近接小銃“キルシュバオム”
灰翼の守り
スキル:
狙撃
経験則
共鳴光力加速
跳躍滑空



特殊スキル:
なし





   
「手が震える。呼吸が乱れる。私と、敵。世界が、圧縮されていく」
 「恐怖が、後悔こそが私の至宝だ」
  「殺意も、衝動も、経験すらも敵だ。私は今、組織以外の何者をも信じはしない」
   「おい……使わない部屋の電気は消せといつも言っているだろう」
性格・経歴・設定
《概要》
暗殺を糧にするブレイカーチーム“ポールノチ・サヴァ”のもうひとりのリーダー。
外見年齢は50代後半の男性。黒いマスクと金色の瞳がトレードマーク。
ジェネティックの中でも希少な「長命種」と呼ばれる遺伝子異常の持ち主で、
ニューエイジ並、あるいはそれ以上の寿命を持つ。
地球に生息する大型の猛禽類の遺伝子を持ち、
広げると体長の2倍近くにもなる灰色の翼を器用に折り畳んでいる。
長命種の特異な遺伝子構造からか飛行能力は失われており、
せいぜい数メートルを跳躍したり、高所から滑空できる程度。
長年の酷使で肉体のあちこちに負荷が生じており、
あるルートから仕入れた特殊な薬品で身体を保たせており、その限界は近い。
ポールノチ・サヴァのその膨大な歴史の影には常に彼の姿があり、
組織の畏敬は彼の名をもって語られる事も多い。

もともと暗殺、殊に狙撃には天賦の才を見せていたが、
200才を越えてアーレント結晶との適合を果たし、
その扱いを習熟させて以降は、
宇宙に並ぶものなしとまで謳われる半ば伝説と化した狙撃手へと成長した。

しかしある時期を境にその勇名は名を潜め、
狙撃手としての賞賛はポールノチ・サヴァのもう一人の狙撃手、
ライサへと受け継がれつつある。
その頃から徐々に身体の衰えを感じつつあり、
また極端な「拳銃恐怖症」を患うようになった。

現在はまだ若年であるライサを支えるため現場からは離れ、実務面を統括。
リーダーの地位を分割する形に収まっている。
チーム内にできつつある派閥に、些かの危機感を抱いているようだ。


《性格》
寡黙で冷静。そもそも人付き合いが苦手で、集団行動を好む性分ではなかったが、
最近は特にその傾向が強くなっているようだ。
組織を長く支えてきたこともあり寡黙ながら実務能力に長け、
依頼の受諾や人員の編成なども卒なくこなす。
また、組織運用のことを重く考えるあまり、異常な倹約家としても組織内に名を響かせている。

工作員・狙撃手ということもあってか手先が器用で、裁縫や編み物が趣味。
安価な合成糸を使って、芸術ともいえる作品を黙々と作っている姿は船内の風物詩。
また、抜けた自らの羽を使った飾りが組織内で幸運の守りとして扱われている事を
内心嬉しく思っているらしい。

また過去の事件で心に恐怖心を植え付けられたある「2丁拳銃使い」に
恐怖と同時に深い憎しみを抱いており、
復讐を誓いながらも己の実力不足を自覚しており、心中は深い葛藤の中にある。

ある時、「拳銃使い」に関わるミッションでは冷静さを欠くとライサに指摘され、
以後「拳銃使い」の関わる作戦については指揮権を委託するという契約が存在する。


《経歴》
AUG加盟のD国で生まれた男性。
両親とも軍属だったこともあり士官学校を卒業後、
特殊部隊の指揮を採っていたヴィクトル・ジョレスに才を見出され
部下として迎えられることになる。
その後ヴィクトル・ジョレスに従い腐敗したAUG政府を糾弾、
彼の死後もチームの柱として活動していくことになる。

しかしジョレス死後の僅かな期間を除いて組織のトップである期間は短く、
常に誰かのサポート役という立ち位置を崩すことはなかった。

火星総督府バートランド・ハットン狙撃事件、快速巡洋船「プリンツェッサ」鹵獲事件、
「エウロパの種火」鎮圧艦隊襲撃事件など、
組織の勇名と語られる事件の影には常に灰翼の狙撃手の噂があり、
猛禽の灰翼はチームのシンボルとしてすら認識されるまでになった。

AA.60年代になると民間にもその名が広く知られ、
ゴットフリート・ライサの狙撃手二枚はAUG・エウロパ国の区別なく浸透していった。
AA.67年の大規模フローターズ撃滅作戦での活躍により、
「ライサ・ドストエフスカヤ」、「ゴットフリート・エルメンライヒ」の名は
絶頂に達する事になる。

これに対し自らを英雄視されることで「暗殺者」としての露出過多を危惧し、
「心音」を意味する「ヘルツ」と名乗るようになる。
これは、文字通り「チームの心臓・要であり続ける」という決意の表れでもあった。

AA.79年に「ラファエーレ・グリマルディ」が父の仇をとるべく
「2丁拳銃使い」のブレイカーを探しに組織を出奔すると言い出した際、
その名の恐怖に負けて後を追う事ができなかった事を深く後悔している。

そのため組織の大多数が彼を推したにも関わらず、
「ライサ・ドストエフスカヤ」に組織のリーダーを譲り、
裏方として実務にあたろうとする。
しかし「ライサ」をはじめとする過半数以上の請願を受け、
リーダー二人体制でのチーム運用を受け入れた。

「ライサ」の前リーダー「ラファエーレ」の捜索を続けるという意思を知ってはいるものの、
「2丁拳銃使い」の実力を鑑みて
彼が死亡しているという可能性が高い事を「ライサ」に言い出せずにいる。

装備概説
▼二四式狙撃銃“ウニヴェルズム”
AA.24年に製造された旧式の狙撃銃。
二四式はAUGの旧J国で兵器工廠で製造されたもので、
総合性能が高レベルでまとまった傑作との呼び声高い名銃。
“ウニヴェルズム”は二四式狙撃銃を無作為に4000丁程選別し、
最も精度の高い一丁を彼専用にカスタムした特注品。
シンプルかつ高精度のボルトアクション方式。装弾数7発。

▼光学加速銃“ズィンゲンリッター”
エウロパ新帝国所属する土星圏のコロニーで開発された最新鋭の狙撃銃。
大型かつ繊細なため普段は分解し、スーツケース大の専用ケースで持ち運ぶ必要がある。
アーレント共鳴によって粒子を回転加速させ、弾丸を射出することができ、
専用の弾薬を使用する事で個人携行火器とは思えない程の
貫通力・射程距離を叩き出す事ができる。
また射出直前に弾薬にアーレント光力を留積させることで、
加速されたアーレント光力と爆発反応を起こし
着弾時にティンクル・ガンのような爆発を伴った破壊を行う、
まさにスナイパー・カノンと呼ぶに相応しい破壊力を持つ。
一射ごとに数十秒の冷却を必要とし、
アーレント光力の加速作業が必要となるなど速射性に欠けるが、
当たりどころを考慮すれば戦艦級の装甲を融解させる事もできる「長筒のバケモノ」。
威力に伴って精度は大味なので、優秀な狙撃手でなければ扱う事は難しく、
アーレント光力の加速にはアーレント適正と共鳴光力加速の技能が必要なため、
実質的に「ヘルツ」の専門兵装といってよい。
なお、光力加速作業中は漏れだしたアーレント光が彼の周辺を覆い非常に高熱を放つため、
「ヘルツ」は射出時に翼を広げて放熱する。
グレーの大翼が発光し緑がかった美しい白翼に見える事から、
“オラーケル・ソルダート(祝福の兵)”の異名を取る。
なお発光する関係上、隠密性はお察しである。

▼対人近接小銃“キルシュバオム”
近接戦闘に対応する際に取り回す小銃。
どうという特徴のない銃だが、堅牢で状況を選ばず使用できる。

▼灰翼の守り
自らの羽を加工して作ったお守り。
チーム内では幸福のシンボルとしてしばしば流通している。

スキル概説
▼狙撃(射程:遠距離・単体)
 狙撃銃を用いた精密射撃能力。
 狙った点への着弾の正確さや、狙撃点の確保なども含まれる。
 アサルトライフルや拳銃などの扱いは別の才能を必要とする。

▼経験則(射程:至近距離・単体 標的:自分)
 長く戦場に身を置くものが持つ経験に基づいた判断力。
 いざというときはこういうものが物をいうのかもしれない。

▼共鳴光力加速(射程:遠距離・範囲 標的:全体)
 アーレント光力を循環させ、徐々に加速していく技術。
 アーレント適正のある者であればそれほど難しい技術ではないが、
 強力な使い手であればアーレント光力を用いた攻撃手段に対する
 防御力になり得たりするかもしれない。

▼跳躍滑空(ヘルツ専用 射程:近距離・単体 標的:自分)
 「長命種」の遺伝子異常を抱えた「ヘルツ」が有する唯一の「ジェネティックらしさ」。
 翼をはばたかせて跳躍の助けにしたり、高所から落下する際に滑空して距離を稼いだり、
 落下速度を落としたりできる。

【リレーションシップ】
 →《トゥマーン・スナイピェル》ライサ・ドミートリエヴナ・ドストエフスカヤ
PL:王小龍
イラスト:王小龍