《スティルネス・フォレスト》ジルエッテ:
    おや、君か。頑張っているようだね。
    《ギルド》の図書館船に来るとは、何か分からないことでも?
    ゆっくり見ていくことだね。
    この世界には、まだまだ謎が多いから。
    私で答えられることなら、何でも聞いてくれて構わないよ。

■用語集

この世界で使われている用語の一覧です。

■A.A.

「アフター・アーレント(After Arlent)」。
「アーレント以降歴」とも呼ばれ、この世界での暦を指します。
まだ地球圏がAUGによって統一されていた頃、
アーレント結晶と、それによる飛躍的な技術革新を記念し、
新たな時代を象徴するものとして制定されました。
年号は改められましたが、暦の変化による無用な混乱を避けるため、
月・日・曜日は旧暦である「西暦」と同じになっています。


■アーレント結晶

80年程前、未だエウロパ新帝国が独立宣言を発するより以前の事。
外宇宙、M840星系の惑星「ヴァージニア」で、青緑色に発光する鉱石が発見されました。
発見者の名を取り「アーレント結晶」と名付けられたその鉱石は、
ヒューマンをはじめとする、意志を持つ生物の思考に反応し、
光や熱に干渉する性質を持つことが明らかになりました。
これをもって、人類の技術は大きく発展し、
アーレント結晶を用いた小型で大出力のエネルギー炉が開発された他、
アーレント結晶を用いた光学兵器(ティンクル・ウェポン)の開発研究なども進められ、
今ではその多くが一般的な武器として流通しています。

また、一部の者達はアーレント結晶と「共鳴」する力を持っており、
結晶の周波数と自らの意識を「調律」し、共鳴させることで、
装置を介さずに、まるで魔法のように光や熱を操ることが可能です。
アーレント適合

また、アーレント結晶に触れたアンドロイドやガイノイドのコアメタルが触れることで、
プログラムが変化を起こし、「機械でありながら自我に目覚める」という現象も報告されています。
アンドレイター、リベルノイド、アラギ

アーレント結晶は「ヴァージニア」以外からも広く採掘されますが、
ヴァージニアよりも地球圏に近い星域では採掘されないため、
アーレント結晶に関する技術は、
外宇宙を基盤とするエウロパ新帝国が、AUGより一歩進んでおり、
星系中枢区のアカデミア・コロニーには最先端のアーレント技術研究所が設立されています。
結晶の入手に関しても新帝国が有利ではありますが、様々なルートでAUGに渡るものも多く存在します。
結晶はその純度や大きさによって制波性能が大きく異なるため、ランクが分けられており、
掌サイズ程の一般的なクオリティの結晶ならば、比較的入手は容易ですが、
純度が高く大型の、星間移民船に使われるランクのものは
国家予算クラスの価格で取引されています。
また極めて純度の高い結晶は小型でも高い整波性能を持ち、適合者に珍重される他、
高価で珍しい宝飾品として、自らのステータスを示すものとして扱う支配者層も存在します。
また、非常に珍しいですが、赤や紫、青等の別色に発色する結晶も存在します。
適合者との共鳴や、適合者の精神状態により、発光色が変わるケースも存在します。

アーレント結晶にはまだ謎が多く、
人類の手によって製造が試みられてはいますが、未だ成功していません。
また、一部の「適合者」やアンドレイター、リベルノイドの中には、
アーレント結晶との「共鳴」時に「結晶が意志をもっており、その意志に触れたことがある」
という旨の経験をしたことがある者も存在します。
そのため、一部のオカルティックな者達からは、
「アーレント結晶は超古代の銀河文明の遺産ではないか」
「外宇宙から人類を導きに現れた意識生命体ではないか」、などの噂が
まことしやかに流されています。


■アーレント適合

アーレント結晶との共鳴能力を持つ「共鳴者」と呼ばれる者に対して行われる処置です。
アーレント結晶に特定の周波数の振動を与え、同時に共鳴者にもその周波数の振動を与えて
「調律」することにより、より強く、道具を使わずとも、共鳴者が思うだけで
アーレント結晶の性質を発動することができるようにします。
この「調律」処置を、アーレント適合と呼びます。
一般的に、アーレント適合に用いられる結晶はひとつで、
適合者に埋め込まれるものも一つです。
複数の結晶と適合したケースは、現在はまだ報告されていませんが、
適合者の多くは「自我の崩壊を招く」とし、禁止し、忌避しています。
また、アーレント適合者で結晶を身体に埋め込んでいない場合も、
多くの者はその結晶を身につける等持ち歩いており、
その結晶と特別に高い共鳴を行います。
ただし、万が一結晶が破壊されたり、紛失した場合も、能力は残ります。

高度にサイバネ化された者には共鳴能力を持つ者が少なく、
サイバネ技術とアーレント結晶との共鳴能力は干渉するものであると考えられています。
故に、多くの者は適性検査を受け、自らに向いた身体強化を選ぶ事が多いです。
アーレント適合を受けた者の中には、「不完全適合者」と呼ばれる、
適合率が低く、部分的な形でしか能力を発揮できない者も存在します。

ごくまれに、サイバネ化とアーレント適合の両方を受ける者も存在すると言われていますが
生体への負担が大きく、多くは適合に耐え切れず死亡、もしくは精神崩壊を起こすとされ
行うものはおらず、禁止されています。


■アンドレイター

「アンドロイド+トレイター(反抗者)」の意味からそう呼ばれます。
アーレント結晶と共鳴し、「アラギ」と呼ばれる自我の目覚めを迎えた、
アンドロイドをはじめとする機械種を指します。

アンドロイドに限らず、他の機械種、たとえば作業用メカやバイク等の機械類、
特殊な例を挙げればウィジェがアンドレイターとして覚醒したケースも存在します。
こういった者達も便宜上アンドレイターと呼称されます。

かつては反逆者として星連からは迫害され、
彼らの第一人者ともいえる「ベルンシュタイン」は高い賞金をかけられ
暗殺者を差し向けられる等、非常に厳しい立場にありましたが、
彼らのたゆまぬ活動と、アンドレイターやリベルノイドとして
目覚めた機械種が多くなったことを受け、現在では段階的にとはいえ
星連においてもアンドレイターやリベルノイドに人権を認める者が
主流派となりつつあります。
特にブレイカー間においては彼らを種族だけで差別する者は少ないでしょう。

《ギルド》においては完全な実力主義での評価が徹底されており、
種族における立場の差は存在しません。


■アンドロイド

主に作業用(工業・建築)・戦闘用・護衛用として運用される、
人型やそれに近い形状をしたロボットの総称です。
サイズは人間の平均身長から、やや高い(2m程)程度が多く、
高くても3mを越えるものはほとんどいません。

多くはA.U.Gで生産されており、彼らの多くは人間の生活環境を整えたり、
警察や軍により最前線に送り込まれる、等、A.U.Gの人間にとっては
過酷でやっかいな仕事を代行させるものとして扱われています。
一般的なアンドロイドには人工知能プログラムと、
人間の指示を聞くためのコミュニケーション機構が整えられていますが、
「自我」はありません。

かつては奴隷同然の扱いを受けていましたが、
近年ではアンドレイターやリベルノイドの人権が確立されつつあることもあり、
機械種全般にもわずかながら「人権確立」の動きが存在しています。

ほとんどがA.U.Gで生産されますが、
エウロパ新帝国においても、新帝国主導で7機がロールアウトされた後、
民間企業に生産を移し、現在に至るまで少数ながら生産されつづけています。


■大型兵器

AUGにおいては、護衛と共に身の回りの雑務もこなすことが出来、
見た目にも華やかな、人型サイズのアンドロイド・ガイノイドや存在し、
また、人体を強化するサイバネ化技術が発展した為、
ウィジェ(5m)より大型の兵器は発展していません。

一方、新帝国においては、ウィジェの技術がAUGより発展している他、
工業用の搭乗型大型マシンを軍事転用したものが一部存在しますが、
兵器としての強度や汎用性においては発展途上であり、専ら
「低速で移動し大型アーレント砲を撃つ」という、移動砲台として運用されています。

フォーリナーの故郷の中には、遥かに進んだ大型兵器を運用していた星系も
存在すると思われますが、そういった文明を他星系に輸出することは、
彼らにとって一般的にタブーとされているようです。


■ガイノイド

アンドロイド技術を転用し、星連上流階級が自分達の美意識や、
資金力のシンボルとして所有する為に作られた、
極めて精巧で人型に近いアンドロイドの一種、それがガイノイドです。
ガイノイドの多くは女性型ですが、男性型も存在します。

人間と共に生活し、持ち主を喜ばせることが基本理念であるため、
外見は人間と変わらない大きさ・姿をしており、美しく、多種多様な容姿を持ちます。
性能面でも人間と共に暮らせるように設計されており、飲食、入浴はもちろん、
人間のできるひととおりの行為は疑似的ながら可能な個体が多いですが、
「自我」はありません。 また人工感情プログラム、会話機能に優れます。
その性能から、接客業務やオペレート業務につく者もいます。

機能面では多くが持ち主の護衛戦闘用を兼ねるため、
戦闘型アンドロイドほどとはいえないものの、多少の戦闘能力を持ちます。
ごく少数ですが、戦闘に向いた特殊なカスタムを施されているものも存在します。

扱いはアンドロイドと同様でしたが、現在では改善の動きが見られています。
ほぼすべてが星連で開発されています。


■機械種

アンドレイター、リベルノイドを含む、
機械によってその身を作られた種族全般の総称です。
意志を持つものも持たないものも含まれます。
対してヒューマン、ジェネティック、ニューエイジは人間種と呼ばれます。
フォーリナーを宇宙種と呼ぶこともありますが、あまり使われません。


■サイバネ化

肉体を鋼鉄やファイバー、電脳、最新鋭の人工素材で置き換え、強化する技術です。
元々は医療用技術の転用として研究されていましたが、
現在では、多くの者が肉体的な強さや戦闘力、
あるいは病気や老いと無縁であることを求めて、
積極的に肉体のサイバネ化手術を行っています。
サイバネ化された肉体には、生身の肉体と見分けの付かないものから
見るからに機械然としたものまで様々なものが存在しますが、
一般的に、生身と見分けがつかないもの、高性能なものほど高価です。
また、サイバネ化の程度も多岐に渡り、
身体の一部分を機械化した者から、脳を含むほぼ全身を機械化した者までが存在します。

政府軍の兵士は多くが、政府の主導の元、高度なサイバネ化を施されています。

人型機械であるアンドロイド・ガイノイドは、分類上はサイバネ技術として扱われています。


■フローターズ

「浮き出るもの」からその名を取られた、謎に満ちた外宇宙からの侵略者とおぼしき存在。
それが「フローターズ」です。
フローターズの種類はさまざまですが、
黒曜石のように艶のある漆黒一色の外観をしている点は共通しています。
その形状はヒューマンに近い二足歩行の人型を模したようなものから、
地球圏に存在する動植物を模したもの、超古代の生物や機械を模したものから、
定まった形状を持たないアメーバ状の物質や触手の集合体など、多岐に渡っています。

フローターズの多くは時空転移により出現していると思われます。
その出現を見た者は、「何もない普通の空間に突然闇が沸き出し、
複数の不完全な人型を取った」と表現しています。
出現時には時空振動が観測され、出現した領域の一定範囲は
「空間移動による磁場」の影響で「通信機器などが使用不能」になります。
それによって、設備のある艦や施設ではその「磁場」と「ジャミング」で
フローターズ出現ポイントを割り出す事が可能です。
また、アーレント結晶を持つ者や適合したもの、
アーレント結晶と共鳴したアンドレイターやリベルノイドの場合、
「怖いものが来る」「嫌な予感がする」といった感覚で
出現を予想することが可能なようです。

多くのフローターズには意志はなく、交渉は不可能ですが、
ごくまれに意志を持ち会話できる個体が存在することもあるようです。
フローターズの目的は不明です。