Deep space action & adventure! Let's dive into the stars with your avatar!
「 AA0084.11.21 」
この旧式の手帳といった代物は、俺に用意された部屋にあった
戦場以外の全てにおいて退屈していた俺には良い暇潰しかもしれない
これからの事を "死ぬまで" 残してみる事にする
・・・残した所で、得にもならないが
「 AA0084.11.22 」
俺はいつからか "A・g" という通称で呼ばれるようになった
誰が呼び始めたのか知ろうとも思わんが
「 AA0084.11.23 」
来月頭まで "待機命令" の連絡が来た
未だ、このチームへ俺を抜擢した奴にはお目に掛かれていない
不愉快だ
「 AA0084.11.24 」
退屈すぎて死にそうだ
「 AA0084.11.25 」
退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退屈退
「 AA0084.11.26 」
抜擢を受諾したのは間違いだったか
クソが
「 AA0084.11.28 」
大規模ウィジェチームとしては有名だった "LUY" から抜擢され一週間が経過した
だった、の意味はそのままだ
―――ゼロ・ミリオンの "千景"
ある筋の情報では奴が食ったという事だ、まったく笑える話だ
運が良ければ、奴と手合わせをする日がいつか来るだろう
「 AA0084.12.02 」
俺をこのチームへ抜擢した奴から "仕事" についての連絡があった
如何なる仕事内容であれ、拒否の選択は認められないそうだ
この退屈から逃れる事が出来るなら何でも構わない
しかし本当にチームなのだろうか?
メンバーと言えるような奴を見た事も聞いた事も無い
ま、今更もう帰る所は無いからな・・・
どうにでもなりやがれ
「 AA0084.12.04 」
何処のチームかも知らない二機のウィジェを単機で相手にしてきたが、
これがまた中々久し振りに面白い戦場だった
勝利を確信するも、勝利の女神に裏切られ敗北へ突き落とされる男
相方を失い、感情を爆発させ不調律の共鳴をするも絶望した女
"戦況の流れ" これだけは誰にも予測は出来ない
・・・しかし此処のチームの代表は一体何者だ?
あのレベルの仕事を寄越す辺り、マトモじゃねえのは確かだ
「 AA0084.12.08 」
キリムラ重工整備班チームからお怒りの音声メッセージを受信した
先の任務で楽しみ過ぎた所為で、ウィジェの損壊具合が酷いらしい
・・・指定された額は払ってるだろうが、何の不満があるんだ?
もう一通はこの怪しいチームの代表サマからだ
成る程な、先の仕事は試されていたという事か・・・色々と合点がいくな
明後日はこのチームの "正式なメンバー" と合流するらしい
「 AA0084.12.10 」
一人は "金髪のリベルノイド女"
眼が合うなり 『噂は耳にしてるけど、地味な男ね』 だと・・・外見とは異なり性悪だ
ただ、中身はアンドレイターとしてカスタムされている様だが、物好きも居るんだな
一機は "でかい鉄人"
・・・としか言い様が無い
先の性悪女とは違う純粋アンドレイターだが、コイツの威圧感・・・警戒が必要か
最後に・・・、・・・このチームの、代表は、"白金髪のバアさん" だ・・・
J国の着物ってやつを着こなして、ニコニコと終始気持ち悪い笑顔をしてやがった
フォーリナーってのは本当に何でもアリだな・・・笑えん話だ
「 AA0084.12.14 」
合同演習とは名ばかりの内乱戦
発端は、あの性悪女がガンナイフを俺に向けて射出しやがった
性悪女は武装からしてクラスはウォリアーか
立ち回りとしてはアサシンだが、あの軽武装とスピードは...
鉄人は俺と同じクラスのガンナーのようだ
戦意がないのか棒立ち状態だった
それよりも気になる事がある
白金髪のバアさんが "一手" で俺と性悪女の戦を止めた事だ
手を合わせただけだ、何かのマジックか?
「 AA0084.12.18 」
クソつまんねえ仕事だった
「 AA0084.12.20 」
金髪性悪リベルノイド女との共同任務だった
向こうもこちらとの共同任務について反対を申し入れてたが、
あの白金髪のバアさんを前にすると何故か断れん・・・何者なんだ?
リベルノイドなのかアンドレイターなのか、どちらでもいい瑣末事だが、
『あたしは美しいやり方が好きなの、解る?』 これがまったく理解出来ん
戦場において、美なんてもんはない
「 AA0084.12.26 」
鉄人との共同任務だった
こいつは無口な癖に、白金髪のバアさんが言う事には従順だ
戦闘用の機械が御茶汲みをするのもどうかと思うが・・・
殆どが磨き上げられた装甲で身を包んだこのアンドレイターだが、
『Let's begin』 との発声や否や、眼前の施設を穴に変えやがった
携行兵器類はアリュクトス製だろうが、出力スペック等に謎が残る
純度の高い結晶体を内蔵しているのか? まさかな・・・
そう言えば、こいつの肉声を始めて聴いた気がする
「 AA0084.12.28 」
白金髪のバアさんが "最後のメンバー" とやらを連れて来た
ニューエイジのガキ女だった
部屋に入ってくるなり、鉄人の影に隠れて俺を睨んでやがった・・・
話では "複数のアーレント結晶と高い適合" をしていると言っていた
確かに、両手甲それぞれに結晶が埋め込まれているのは確認した
いったい何処から、こんな逸材を拾って来るんだ?
「 AA0084.12.31 」
朝っぱらから "オセチ料理" とやらを作るとバアさんが言い出した
これも仕事だからと言いやがるんだからたまったもんじゃねえ・・・
鉄人と結晶女は楽しそうにバアさんの手伝いをしていた
俺と性悪女は材料の買出しを押し付けられた
このまんまバックれようと性悪女に提案してみりゃ、意見が一致した
その矢先、同時にバアさんから連絡が入りやがった・・・内容はこうだ
俺には 『今日の仕事を放棄した場合、一ヶ月間の任務禁止』
性悪女には 『一ヶ月間の娯楽と入浴の禁止』
あんのババア・・・鬼かよ・・・
渋々買い物をしたが、殆ど性悪女に振り回される破目になった
専門店の熟知、店員への振る舞いを見るにあの性悪女・・・貴族出身か?
しかしな、アンドレイターの鉄人にエプロンは無いだろうエプロンは・・・
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