■血霞、黒き海にて 1

●連なる星々の煌めきと
「厄介な事態になってるみたいだな」
 格納庫への通路を早足で急ぎながら、金髪の男が誰にともなく呟いた。
「そうだな」
 藍黒茶の髪を揺らして駆けてきた少女はそれに平坦な声で応じ、青年の方へ視線を向ける。
「アルビレオ、お前はギュナーで先に?」
「ああ、そのつもりだ」
「そうか。気をつけろよ」
 なるべく感情の色が表に出ぬように、つとめて冷静な風を装って少女──《ノイン・シュナイデ》サザメ・I・カタギリはそう言葉を返した。
 守るべきものが背にあると、この男──星煌旅団・団長、《バイナリィ・スター》アルビレオ・フェニックスはとかく無理無茶無謀をしがちな人物だ。それを知っているから、かける言葉にはつい心配の色が交じってしまいそうになる。
 けれどサザメという少女は、そういった感情を表出する事が余り得意でない。だからあえて素っ気なく言葉を返すことで、胸に浮かんだ感情を悟られる事を避ける。
 ……お前の方が心配だ、と言われたくなかったことも理由の一つ、ではあるが。
サザメも含めて、この輸送艦──マザーシップ・キュグナスを母艦とするブレイカー集団『星煌旅団』の戦闘要員には、アルビレオ同様に無茶をしがちな人材が多い。
「じゃあ、行ってくる!」
 力強く頼もしいいつもの声音でそう告げて。アルビレオは、格納庫へ繋がるハッチをくぐって消えて行った。その奥には彼が駆る宙間戦闘機”ギュナー”が、主の意を受けるべくして待っている。
 アルビレオの背がハッチの向こうへと消えて行くまでを見送ってから、サザメは再び早足で廊下を歩み始めた。
 サザメの目指すのは、自らの相棒が待つ陸上機用の格納庫だ。未だマザーシップは宇宙空間を航行中であり、実際に”彼女”を動かすのはもう少し先の話になる。
 ……が、到着次第直ぐに動けるよう、備えをしておくことが必要だ。
 薄暗い格納庫の片隅に待つ”相棒”──高速型二輪戦闘車両”V.O.L.P.E.”へと近づき、ヴォル、と静かな声で呼びかける。
 ヴ……ヴヴン……
 持ち主の声に反応し、宇宙(そら)の色がごとき漆黒の機体は低い鳴動と共にセンサーに光を点した。
 それを確認したのち、サザメは先ほど参謀から受け取ったデータチップを取り出す。その中には廃コロニーの見取り図、敵の侵攻開始予測ポイント、宇宙港、工廠区画の位置などといった、ミッションに関連する様々なデータが詰め込まれていた。その一つ一つを吟味しながら、サザメは必要な情報を選り分け、相棒たる機体へと入力していく。
 そうしてから小さく一つ息を吐き。
「ヴォル、都市外縁部への最短ルートをサーチ」
「ラージャ」
 制御OSの擬似人格は短く返答し、瞬きするかのようにセンサーを数回明滅させた。
 コンソール上に浮かび上がる、ヴォルペによる自動演算。こうしている間にもキュグヌスは目的の場所へと全速で向かっているところだろう。
 辿り着いたら──そこからが自分の仕事だ。
 キュグヌス自体はおそらく、宇宙港に停泊となるだろう。輸送船を防衛するアスクレピオスと煉歌は能動的な移動手段を持たない。それに、危急の際にはこの艦に輸送船の乗員たちを乗せて脱出……といったことも起り得る可能性は否定できない。
 ゆえに、自分は単独で、最短のルートで可能な限り早く、都市区画へと達する。
 そして──黒で象られた”天使”を速やかに落とす。
 紛い物の天使は地に墜つるべき。この手にある力で、それを成し遂げる。人々を守るためには今、それが必要だから。
 気負うようにぐっと奥歯を噛み締めるサザメの姿を、モニターから見詰めて苦笑する女性が二人。
「……ったく、あいつ、肩に力入ってんぞ」
「ま、今回は色んなチームが来るみたいだし大丈夫でしょ」
「だといいけどな……」


●集うは悲劇を破壊する為に
 先行して到達したのは、快速巡洋船アルキェーストルUを駆る、『ポールノチ・サヴァ』の面々であった。
 最初に降り立ったのは、ゆるやかなプラチナブロンドの髪を揺らした小柄な少女。
 彼女に追従するようにして次々と降り立ってくる、同ギルドの構成員たち──その姿を見た輸送船の乗員が声を上げた。
「君たちは……ブレイカーか!?」
「そういうコトになるネ。全員、無事でいるのカ?」
「ああ、まだフローターズはこちらには達していない。時間の問題ではあるが……」
「まだ達していないならバ、勝ったも同然ダ」
 口の端を持ち上げ、少女が嘯いた。首を傾げる乗員には見向きをせず、少女──《トゥマーン・スナイピェル》ライサ・ドミートリエヴナ・ドストエフスカヤは、自らの部下であるギルドの構成員たちへとてきぱきと指示を出してゆく。
「乗員たちは全て輸送船の中へ。それが最も安全ダ。お前たちが中を守るんだ、しくじるなヨ。死者は無論、可能ならば一人の負傷者も出さぬようニ」
 真摯に、毅然と言い付けた言葉。厳格にも聴こえるそれは、家族のような部下たちへの信頼の証。彼らならば自らの信頼に過たず答えてくれる、そう信じているからこそ、ライサは彼らに対して厳然と命を下す。
 出来るネ?──首を傾いで問い掛ければ、部下たるギルドの者達は力強い肯定を返し、そして即座に乗員たちを保護すべく行動を開始した。
 その姿をちらりと見遣ったのち、ライサは似たような建物の立ち並ぶ工廠区画を、ぐるりと見渡し──そこで、ふと停止する。
「──?」
 聞きなれぬ駆動音を聞きとがめたからだった。巡洋艦級ほどに大型のものではないが、陸上機械のそれとも少し違う──
 緩慢に視線を上げれば、コロニー内外を繋ぐダクトから一隻の船が飛び出すさまが目に入った。青と銀を主とするカラーリングの戦闘機がゆっくりとその場で停止し、静かに工廠区画のすぐ傍に停泊する。
「そこの君、大丈夫か!?」
 ……そして程なくして、戦闘機から一人の青年が降りてきた。彼が自分の方へ駆け寄ってくるのを見て、ライサはようやく、その”大丈夫か?”が自分に掛けられた言葉であったことに気付く。
 息を切らせて駆けてくる青年の顔には見覚えがある。赤いバンダナを身に着けた金髪の──そのいでたちで思い浮かぶ者は現在のところ一人しかいない。
「……確かキミは『星煌旅団』の団長だったネ」
「ああ。アルビレオ・フェニックスだ。君は……」
 輸送船のクルーか、と問いを続け掛けて、アルビレオはふと気づく。
 赤い眼帯の、狙撃光銃を抱えた小柄な少女──確か、何度か耳にした風貌だ。
 裏の稼業を生業とするチーム『ポールノチ・サヴァ』、そのリーダーを務める年若い娘の姿のニューエイジ。《トゥマーン・スナイピェル》の異名を持つ、ライサ・ドミートリエヴナ・ドストエフスカヤ。確か、そんな名前だったはずだ。
 しかしそれ以上に、アルビレオは少女の出で立ちと、特徴的な語り口に既視感のようなものを憶えていた。
 ふと浮かんだのは、舞い落ちる薄紅の花弁と、笑い合う人々。
「……もしかして、花見の時の」
 零された呟きに、ライサはにやりと口の端を持ち上げる。
 ま、そういうコトだネ。言葉に小さく頷くと、アルビレオもまた使命を果たすべく思考を切り替える。
「民間人は?」
「全員、輸送船で待機させているヨ。もしもの為に船内はわたしの部下が守ってイル」
 まあ、もしもなどないに限るんだけどネ──続いた言葉にアルビレオは、大丈夫だろうと力強く即座に返していた。何故なら彼には仲間がいる。先行した自分を追って、まもなくこの場所に達するであろう仲間が。
 それに──この危急の事態に動くのが、自分たちだけではないとアルビレオは確信している。目の前にいるライサたちのチームもそうだが……きっと、もっと多くのチームがこの度の危機を救うべく、既に動き出していることだろう。
「まあ、此処は任せてもらって構わないネ。それより都市部の方、中々厄介そうダ」
「わかった、オレはそっちへ向かう。ありがとな!」
 言ったが早いか、アルビレオはもう既に駆け出していた。
 都市部へと走り去っていくその背を見送りながら、ライサはく、と僅かに口の端を持ち上げる。
「……戦場で最初に掛けられた言葉が”ありがとな”とはネ」
 やはり不思議な奴ダ、とひとりごちて、ライサはくるりと踵を返し、工廠区画の全貌を見回した。さて、狙撃に最も適した場所は何処であろうか──。

 民間人たちの避難や、『ポールノチ・サヴァ』の面々の配置が終わったタイミングで、深青色の巡洋艦が宇宙港へ飛び込んできた。宇宙港に着艦すると同時にハッチが開き、着流しを身に着けた細い肢体の青年が矢のように飛び出してくる。
「ありがとう! 命蓮!」
「気にするな」
 武運を祈るぞ、と短く背に送られた激励の言葉にわずかに口元を綻ばせ、金の髪の機械種──《ジュエルボックスII》翡翠はひび割れた灰色の地面に軽く着地すると、そのまま都市部の方へと駆け出していった。
 それを目で追いながら、深青の巡洋艦の主である《鳴神抜刀》霧谷・命蓮が降り立ち。そしてその次には小柄な少年が軽快な足取りでコロニー内部へと踏み込む。
 猩々緋色の髪をかき上げて少年──《ゼーレン・ベオバハタ》カミル・クラッセンは、隣接する都市区画へと目を遣った。
「フローターズ、ね」
 ──彼らは時と状況が異なるなら、死す時の悲鳴も変わるのかな?
 呟いた言葉に命蓮が首を傾げるより早く、擦り切れた黒いコートを羽織った少年もまた都市部へと向けて駆け出している。
 それを視線だけで見送ったのち、命蓮はこのコロニーまで自分たちを運んでくれた、深い青の巡洋艦を振り仰いだ。
「ジェンシァン、お前はエウロパ輸送艦の上空に待機。レーダーとミサイルでの援護、頼むぜ」
《──あァ。いいぜ、ダンナ。ただし補給のオイルは今度こそ良質なので頼むゼ?》
「……、それは、今回の報酬次第だな」
《ヘイヘイ》
 長く彼の相棒をやっている統合AIは、彼のこの言葉が余り宛にならない事を知っている。いつも、報酬報酬と口に出す割に、結局そんなものはお構いなしに人助けをして貧乏くじを引いてくるのだ。
 そういう人間だ。──しかし、ジェンシァンはそういう相棒が、嫌いではない。
 快速の巡洋艦は了承を示すように短く灯りを明滅させると、ゆっくりと浮き上がり移動を開始した。
 それと同時、新たな来訪者が工廠区画へと飛来する。暁の空の如き鮮やかな色に染め上げられた船と、雪を思わせる純白の船。
 暁色の巡洋艦が停泊すると同時、ハッチが開き、中から漆黒の小型艦が飛び出した。”Luna・nova”──ボディの側面に書かれた白銀の文字が、コロニー内部の照明を受けてきらりと輝く。
『さあ行きますえ、空の旦那。舌噛まんといてな!』
『ちょっ、ちょっと煉華さん、僕まだシートベルトしてな わぁぁぁ……』
 小型艦内から聴こえた通信に、顔を合わせて苦笑零し。乗降用のハッチから二人の少女が、コロニー内へと足を踏み入れた。その姿を認めて命蓮がわずかに頬を緩ませ、二人へと近づく。
「よう、お二人さん」
 軽く片手を挙げて声を掛けると、白髪の少女と朱色の髪の少女は、まるで鏡合わせのような動作でくるりと命蓮を振り返った。
 白髪の少女──《ホワイト・フェザー》ニーナは、命蓮の姿を認めて彼と同じように頬を緩ませ。
 朱色の髪の少女──《サイレント・フレイム》ジゼルは命蓮の声に小さく黙礼したのち、近付いてきた彼の耳元にぐいと顔を寄せた。
「命蓮。ニーナ、お願い」
 無理、させないで。
 告げたかと思うと少女はもう次の瞬間にはその場を離れている。アサシンならではの静かで無駄のない動きで、彼女は都市区画を目指していった。
 ジゼルの背を憂いげに見守るニーナの様子に気づいて、命蓮は小さく笑ってその肩を叩く。
「心配いらないさ。ジゼルは強い、なんたって俺が稽古をつけたんだからな!」
「……命蓮さんったら」
 心配そうにする自分を励まそうとして告げてくれた言葉であることがわかって、ニーナは少しだけ微笑む。
 そして、潤んでいた目元をぬぐうと、きゅっと唇を引き結んだ。
(離れていても、心はずっとそばにいる)
 そう信じているから。だから、わたしはわたしの在るべき場所で、出来る事を。
 決意の籠った表情に変わったニーナの様子に嬉しそうに快活な笑みを浮かべると、命蓮は天神差しの和刀を確かめるように触れる。
 ……その他方。純白の巡洋艦からは、相次ぐようにして二人の少女がコロニーへと降り立った。
 先に降り立った、猫の耳と尻尾を持つ少女が軽く伸びをするその横で。銀髪の少女はタラップを降りてコロニー内に降り立つなり、その場にがくりと膝をついてへたり込む。
「死ぬ」
「だめですよーアリサちゃん。これからお仕事ですからねー」
 笑顔で言いつつ、萌葱色の髪の少女──《プリマヴェリーレ》篶屋・もよぎはエチケット袋をそっと口元に差し出す。それはいらないというように手で制した銀髪の少女──《メディクス・ニクス》アリサ・キリルは青い顔で口元を押さえながら、爆音の鳴り響く都市区画へと視線を向けた。
「……間に合うかな。ちょっと遅れちゃったけど」
「アリサちゃんが途中で吐くからですねー」
「そ、それはもういいから。急いで行くよ!」
 誤魔化すように声を張り上げて走り出すアリサの背中を、やれやれといった表情で見遣り。もよぎは大砲ほどもある巨大な注射器を担ぎ直して走り出す。
 ……なお、先ほど差し出したエチケット袋は合計三枚目である。

●守り抜くために
 最後の来訪者──『星煌旅団』のマザーシップ・キュグヌスが到着する頃には、既に戦闘は始まりかけていた。
「やっべ、遅れたか?」
「行動開始に間に合えばセーフセーフ」
 暢気に言って伸びをする、羽織を纏ったニューエイジの少女。その適当で暢気な言葉に軽く溜息零し、小柄な女性は杖を握る手の力を強める。
「それでは、私は行くぞ」
 その横を、格納庫から飛び出した漆黒の二輪車が風のように過ぎ去っていく──のを見て、杖持つ女性、《オフィウクス》アスクレピオスは素っ頓狂な声を上げた。
「忘れてた! サザメ、これ持ってけ!」
 何かが放物線を描いて、サザメの背へ向かって飛んでいく。周囲の気の流れでその位置を掴み、片手だけで受け取ったそれは、──
「……認識票?」
 ──もしもの時のお守りってやつな──
 そんな言葉でいつぞやも渡されたこれが、何をもたらしたかをサザメは記憶している。なので、受け取った時は少しだけ、苦い顔になった。けれど。
≪気にしなさんな。そうならないように努めりゃいいだけよ≫
 かんらかんらと笑う声は、アスクレピオスのそれとは別のものだ。
 彼女の横にいる少女《エターナル・ブレイズ》榧薙・煉歌──サザメの思いを知ってか知らずか、認識票を通した彼女はあくまで、いつもの飄々とした口調のまま、言葉を続ける。
≪というわけで、ま、じゅーぶん気をつけなさいねー≫
「お前が一番気を付けるべきだと思うぞ」
≪あっ、ひっどい! 無理無茶無謀の一番はアルでしょ!≫
≪いきなりなんの話だよ!? っていうかレンカに言われたくはないぞ!?≫
≪ええい全員大して変わらねえよ! いいから怪我すんな! 以上!≫
 アスクレピオスの声が大きすぎたせいか、サザメの耳には認識票からの通信と、向こうで叫ぶ彼女の声と、二重のご注進が聞こえてきた。
 やれやれ、と息を吐くサザメ。けれど、──これが一番、自分たちらしい。
≪ともあれアルビレオ≫
≪ん?≫
≪すぐに合流するから無茶をするなよ≫
 お前まで、と疲れたようなリーダーの声をかき消すように、ぶっと噴き出したレンカとアスクレピオスの笑い声が重なる。それを聞いて少し口の端を持ち上げると、サザメは都市区画へと向けてヴォルペを走らせた。
「敵の侵攻ルートは、このルートに絞りたいであるよ」
「ふんふん、そうだねぇ……それじゃあ、残りの区画にはあたし特製の機雷、特盛でいっちゃいましょう」
 その間にも、輸送船を守るための防衛ラインが、着々と構築されつつある。
 工廠区画を歩き回りながら言葉を交わすのは、《アンゲル・ジヤヴォール》リーリヤ・スマトロェーチ、それに『暁の比翼』のメンバーの一人である《ヤイバ・ロケッツ》バルケイ・ドラゴニヤの二人、否、一人と一匹だ。
 防衛戦を行うならば、敵の流入路は可能な限り少数、出来得るならば一本に限定してしまいたい。特に今回は数では圧倒的に相手に利がある。たとえ一人一人の実力が高くとも、複数の箇所から押されれば瓦解しかねない──
 そう考えたブレイカーたちの取った作戦は、ルート上に設置型のトラップを複数配備し、敵の侵攻ルートを限定する方法だ。これには卓越したヴレイザーであるリーリヤの力が大いに役立っていた。
「派手に爆発する感じでー……遠目にも判り易く。これでどうでしょう!」
「た、大量であるな……しかし、さすがであるな。これなら撃ち漏らしもなさそうであるよ」
 封鎖区画を埋め尽くさんばかりの結晶機雷に、内心、ちょっとやりすぎなのではと思ったのは口に出さず。バルケイは率直なリーリヤへの感心の言葉だけを口にした。
 敢えて敵を招き入れる為、何の細工もしない経路を一つだけ用意し。残りの経路には漏らさず、リーリヤの結晶結界術で生み出した接触機雷を配備して、敵を一か所に固める。
 機雷は敵に触れた途端、爆発を起こすようにプログラミングされている。高いアーレント適合能力を持つリーリヤ謹製の機雷はかなり威力も高く、事前情報から推測される限りでは、眷属程度は一撃で簡単に吹き飛ばせるだろう。それ以外のフローターズに関してはいざ知らずだが、幾重にも張り巡らせた機雷の全てに耐えうるほどに強靭とも考えづらい。
 全ての封鎖区画に機雷を配置し終えて一息をついたリーリヤは、アスクレピオスの呼ぶ声に応じるように最終防衛ラインへと戻っていき。バルケイは敵の侵攻ルートに立ち塞がるべく、逆側、最前線へと向かっていく。



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